相続Q&A
相続についての相談室
Q1、夫が亡くなり、生前掛けていた生命保険金の受取人が、私(妻)と指定されていました。これは相続財産となるのでしょうか?
A1、場合を分けて考えてみましょう。
1. 夫が被保険者であり、受取人を相続人の中の特定の一人として契約していた場合。
生命保険金は相続により取得するのではなく、固有の権利として取得することになります。
2. 受取人を単に相続人としていた場合。
この場合も@同様、固有の権利であり、相続により取得したものではありません。
3. 夫が自己を受取人としていた場合。
相続人が生命保険金を取得しますが、上記と同様、固有の権利として取得します。
4. 夫が指定していた受取人が夫より先に死亡したが、夫が受取人の変更を行なわなかった場合。
最初に指定受取人となっていた者の相続人が、やはり固有の権利として取得します。
Q2、父が死亡し、妻である私と子である兄弟2人が相続したのですが、兄が父の遺言を密かに隠してしまいました。この場合、遺産分割はどうなるのでしょうか?
A1、まず、民法で定められている相続欠格事由から説明しましょう。
1. 被相続人または自分より先順位もしくは同順位にある相続人を故意に殺し、または殺そうとしたため刑に処せられたとき(過失致死罪は除く)
2. 被相続人が殺されたのを知りながら、これを告訴・告発しないとき
3. 詐欺または強迫によって、被相続人が遺言しようとするのを、または取り消そうとするのを、もしくは変更しようとするのを妨げたとき
4. 詐欺または強迫によって、被相続人に遺言をさせ、遺言を取り消させ、もしくはこれを変更させたとき
5. 被相続人の遺言書を偽造したり、変造したり、破棄したり、隠匿したとき
ご質問の場合、Dに該当することとなりますが、その兄が「いたずら」で隠した場合には該当せず、遺言書の隠匿によって、自己の相続上の地位を有利にし、もしくは不利になるのを妨げるような意思があった場合のみ、相続欠格者となるのです。
欠格者となった場合、相続権はありませんから、その兄を除く妻と弟で遺産分割協議を行なうことが可能です。
Q3、私の長女は中学生くらいから非行にはしり、暴力を振るわれたり、勝手に私の財布から現金を持ち逃げしたり、目にあまるものがあります。 そんな子でも相続させなければならないのでしょうか?
A3、現民法では実親子関係を全く切ってしまう方法がありませんが、相続権だけを剥奪する方法として、相続人廃除の手続きがあります。
これは、私人が廃除を宣言しても効力は生じず、家庭裁判所の審判を得て、はじめて廃除の効力が発生します。
廃除事由は、被相続人に対する虐待、重大な侮辱、その他著しい非行となっています。
また相続人廃除は遺言ですることもできます。
なお、一度廃除されても、その被相続人に関するものだけであり、他の者が亡くなり、新たな資格で相続人となった場合にまでは、効果が及びません。
さらに、再度家庭裁判所で廃除の取消も自由にできます。
Q4、遺産分割の方法は?
A4、まず遺産分割のやり方ですが
1. 被相続人が遺産分割の方法を遺言で定めているときは、それによります。
2. 遺言がない場合は、相続人の協議
3. 協議ができないときは、家庭裁判所で調停の申立
4. 調停が不調のときは、審判手続きに移り、家庭裁判所が遺産分割方法を決定する
実際に財産を分ける場合は
1. 現物分割(現物そのものを相続人間で分け合います。)
2. 代償分割(ある現物を特定の相続人に与える代わりに、他の相続人が現物を得た相続人から金銭を支払ってもらう。)
3. 換価分割(現物分割でも代償分割でも難しい場合に、相続財産の一部または全部を売却し、その代金を相続人間で分け合うというものです。)
Q5、代償分割による遺産分割協議が成立したのですが、代償金が一向に支払われません。協議を取り消したいのですが...?
A5、遺産分割を無効にし、遺産分割のやり直しを求めることができません。
遺産分割については、通常の債務と違い、債務不履行による解除を認めていません。
理由の第一は、契約解除の趣旨は、相手が債務不履行の場合、債務に拘束されることを免れ、他の新しい契約先を求めることを可能にするところにあるのに、遺産分割の場合には、その必要性がないといえます。
第二に、遺産分割協議は一旦成立すれば、安定的であることが望ましく、特に分割後に相続人が取得財産を第三者に処分するなどしている場合に、後になって、白紙に戻すということは、取引の安全を害してしまうためです。
この場合は調停または訴訟を提起する必要があるでしょう。
しかし、その代償分割が調停、審判で決められていた場合は、その調停調書や審判書は債務名義となり、改めて訴訟を提起するまでもなく、強制執行の手続きをとることができます。
なお、法定解除は上述のとおりできませんが、合意解除は可能です。
Q6、父親が亡くなりましたが,生前,借金をしていたみたいです。
しかし,親元を離れていたため,詳しいことが分かりません。
借金を調べる方法はあるのでしょうか?
A5、まずは,お父さんの部屋や重要なものをしまっていたと思われる保管場所などを調べる必要があります。
契約書や取引明細書,カードなどが発見される場合もありますし,借入れや返済に関するメモが記載された手帳が見つかることもあります。
預貯金通帳も確認してください。会社名や個人名での入金や出金(引落)を確認するとことも手掛かりを掴む方法です。
次に,郵便物を確認してください。
督促状や利用明細書などが送付されているかもしれません。
また,暫くの間は郵便物に気を留めていただき,死亡後に送られてくる郵便物の確認作業も重要になってきます。
この郵便物の確認と並行して,借入れなどの情報を保有している信用情報機関へ信用情報の開示請求を行います。
・株式会社日本信用情報機構(消費者金融系)
・株式会社シー・アイ・シー(クレジット会社系)
・全国銀行個人信用情報センター(銀行系)
ここまで調べると,全てとはいえませんが,ある程度の借金やクレジット残金の額などの事実が分かってきます。
しかし,ここまで調べても,お父さんの友人など個人からの借入れや保証債務については,明らかにならないこともあります。
相続放棄は,3か月以内という期限があることから,3か月間では調査が不十分な場合には,3か月が経過する前に,家庭裁判所に申立て,期限を伸長してもらう方法もあります。
それと,注意事項として,プラスの財産よりマイナスの財産が多額かどうかの見極めが困難な場合には,預貯金の解約などの手続きをするなど,お父さんの遺産については手を触れないことです。
お父さんのプラス財産を手にすると,3か月が経過していなくても相続放棄ができなくなるため,慎重な対応が必要となります。
なお,お父さんが長年借金を繰り返しており,過払金が発生している場合は,この過払金返還請求権は,相続の対象となりますので,信用情報を確認して取引が長期間に渡っているような場合には,取引履歴を取り寄せて過払金の確認が必要な場合もあります。
Q7、相続人の一人がどうも認知症のようですが,どうしたらよいでしょうか?
A5、判断能力が著しく低下している方が相続人の中におられる場合,成年後見人選任の申立てを家庭裁判所に対し行い,選任された成年後見人と共に遺産分割協議を行う必要があります。
この選任手続きを行わずにした遺産分割協議は無効となる可能性が高いため,手続きを踏んだうえで遺産分割協議をする必要があります。
成年後見人選任の申立の際,成年後見人候補者を申立書に記載することが可能ですが,誰を選任するかは裁判所の専権事項ですので,候補者が必ず選任されるとは限りません。
また,他の相続人を候補者として,そのとおりに選任された場合(例えば,姉の後見人として弟が選任された場合など),利益が相反する(一方の相続人の不利益において他方の相続人の利益を得るような外観を有する)ため,特別代理人を家庭裁判所にさらに選任してもらって,選任された特別代理人と遺産分割協議を行う必要がある場合もあります。
このような遺産分割のための成年後見人選任の申立ての場合,成年後見人あるいは特別代理人としては,司法書士または弁護士が選任されるケースが多いです。
Q8、遺言が必要とされる主なケースには,どのようなものがありますか?
A8、主に次のようなケースでは,遺言を遺した方がよいでしょう。
・子供と両親がいないので(兄弟姉妹相続),妻に全ての財産を相続させたい場合
・相続人ではない孫や,身の回りの世話をしてくれた子の嫁に財産を譲りたい場合
・内縁の妻に財産を譲りたい場合
・法定相続分とは異なる配分で相続させたい場合
・同居している子に自宅を相続させたい場合
・子供たちがどの財産を相続するかで揉める可能性がある場合
・前妻との間に子供がいる場合
・アパートなど収益不動産を所有している場合
・個人事業を営んでいる場合
・推定相続人の中に未成年者や認知症の方がいる場合
・推定相続人の中に障がいを持つ方がいる場合
・推定相続人の中に音信不通の者がいる場合
・推定相続人がいない場合
・認知したい子がいる場合
・農地を一人に相続させたい場合
・特別受益の持ち戻しを回避したい場合
・寄附をしたい場合
・多数の金融機関に預貯金がある場合
・財産の一部をペットの世話を死ぬまでしてくれる方に譲りたい場合
Q9、不動産と預貯金を相続しましたが,忙しくて手続きをする時間がありません。 名義人変更について,法定期限はないと聞きましたが,このまま放置しておいてもよいものでしょうか?
A9、相続による名義変更の期限規定はありませんし,不動産の名義変更の場合,差し迫って支障が生じないことと,登録免許税の負担などもあって,名義をそのままにしている方がいるのも事実です。
しかし,状況の変化で,売却をしようとしても話がまとまらなくなってしまったり,高齢で判断能力が低下してしまったり,協議をする相続人が亡くなり,二次相続が発生したり,相続人の債権者が,法定相続登記を入れて債務者である相続人の持分について差押が入ったり,相続人が行方不明になるなど,次の代に先送りをすると,手続きが複雑化してしまって時間も費用も余計に掛かってしまいます。
次の時代に先送りせず,遺産をどのように分けるのか決定したら,早い段階で不動産の名義変更をすることをお勧めいたします。
なお,住宅ローンに関し,団体信用生命保険に加入していた場合,死亡によって,保険金が支払われ,住宅ローンとして不動産に設定した抵当権を抹消することができますが,この場合は,抵当権抹消登記に先だって,相続による所有権移転登記を行う必要があります。
Q10、遺言執行者は何をする人ですか?
A10、遺言執行者は,相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有すると規定されており,遺言者の死亡後,遺言内容を実現してくれる人をいいます。
せっかく遺言を書いても,それが実現されなければ,書いた意味がありません。
必ずしも遺言で遺言執行者を定めておく必要はありませんが,遺言者は,遺言内容に従って不動産の名義変更や処分行為,預貯金の解約や有価証券等の処分,貸金庫の開扉,蔵置品の引取りなどを相続人に代わって実行してくれますが,遺言内容によっては,相続人間で利益が相反することも多く,手続きも専門的な部分もあることから,中立かつ公平な専門家を選任しておくことには大きなメリットがあります。
また,遺言認知,推定相続人の廃除及びその取消し,財団法人の設立は,遺言執行者のみが行えるものですので,この場合,遺言書で遺言執行者を定めておかなければ,裁判所に遺言執行者を選任してもらわなければなりません。
このように,遺言執行者を予め決めておいた方が,遺言がより確実に実現できる可能性が高くなり,信任のおける専門家と相談しながら進めていくことをお勧めします。
相続手続きの期限
相続が発生したときに行うべきこと
相続が発生したら、次のような各手続きが必要となります。
期限のあるものも多い為、できるだけ早めに行うことが肝要です。
明日でいいや,今度の休暇にやろう,1日じゃ終わらなそうだから今度まとまった休みの時にでもやろう,では,結局延び延びになってしまう可能性があります。
比較的急ぐ必要がある手続き(死亡から14日以内)
時間的余裕があまりない手続きには次のようなものがあります。
死亡届・死体火葬・埋設許可申請
期限 | 死亡を知った日から7日以内(国外にいる場合は3カ月以内) |
手続き先 | 死亡地、本籍地、住所地のいずれかの市区町村の戸籍・住民登録窓口 |
必要書類 | 死亡診断書・印鑑 |
年金受給停止
期限 | 死亡から10日以内(国民年金は14日以内) |
手続き先 | 年金事務所または市区町村 |
必要書類 | 年金手帳・年金証書・除籍謄本・印鑑 |
後期高齢者医療資格喪失届
期限 | 死亡から14日以内 |
手続き先 | 市区町村 |
必要書類 | 後期高齢者被保険者証・印鑑 |
国民健康保険資格喪失届
期限 | 死亡から14日以内 |
手続き先 | 市区町村 |
必要書類 | 国民健康保険証・印鑑 |
介護保険資格喪失届
期限 | 死亡から14日以内 |
手続き先 | 市区町村 |
必要書類 | 介護保険証・印鑑 |
早めに行う必要がある手続き
上記ほど短期間の期限ではありませんが、うっかりしていると期限が過ぎてしまう諸手続きです。
雇用保険受給資格者証の返還
期限 | 死亡から1か月以内 |
手続き先 | 受給していたハローワーク |
必要なもの | 受給資格者証・死亡診断書・印鑑 |
備考 | 死亡時、雇用保険を受給していた場合 |
相続の放棄
期限 | 死亡の事実を知ってから3か月以内 |
手続き先 | 被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所 |
必要なもの | 除籍謄本・相続人の戸籍謄本等・印鑑 |
所得税準確定申告・納税
期限 | 死亡から4か月以内 |
手続き先 | 被相続人の住所地の税務署 |
必要なもの | 亡くなった年の1月1日から死亡日までの所得の確定申告書、控除を受ける生命保険料の領収書、医療控除証明書類等 |
備考 | 被相続人が自営業者であった場合、または、年収2千万円以上の給与所得者の場合に必要 |
相続税の申告・納税
期限 | 死亡日の翌日から10か月以内 |
手続き先 | 被相続人の住所地の税務署 |
必要なもの | 申告書、被相続人の戸籍謄本・除籍謄本・住民票・住民除票、 相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明書等 |
備考 | 相続する財産が基礎控除額以下の場合は不要 |
生命保険金の請求
期限 | 死亡から2年以内 |
手続き先 | 契約していた保険会社 |
必要なもの | 保険証券、保険料領収書、保険金受取人と被保険者の戸籍謄本、除籍謄本、受取人の印鑑証明書 |
補助金や給付金、高額医療費払い戻しなどを受ける手続き
葬儀費用の補助金や高額医療費の払い戻し、年金の一時金など、遺族に対して金銭が支給される制度があります。こちらも忘れずに手続きしましょう。
国民年金の死亡一時金請求
国民年金の保険料を3年以上納めた人が、老齢基礎年金、障害基礎年金のどちらも一度も受け取らずに亡くなったとき、被相続人と生計をともにしていた遺族(1配偶者 2子3父母 4孫 5祖父母 6兄弟姉妹の中で優先順位が高い方)に、保険料納付期間に応じた定額の死亡一時金が支払われます。
期限 | 死亡から2年以内 |
手続き先 | 被相続人の住所地の市区町村 |
必要なもの | 年金手帳・除籍謄本・住民票・印鑑 |
備考 | 遺族が遺族基礎年金,寡婦年金の受給資格がない場合に限られます。ただし,寡婦年金と死亡一時金の両方の受給資格がある場合(被相続人の妻など)には、どちらか一方だけを選ぶことになっています。 |
国民健康保険加入者の葬祭費請求
国民健康保険の被保険者が亡くなった場合、葬祭費(1〜7万円・ 自治体によって異なる)が支給されます。
期限 | 葬儀から2年以内 |
手続き先 | 被相続人の住所地の市区町村 |
必要なもの | 国民健康保険証・死亡診断書・葬儀社の領収書・喪主の確認できるもの・印鑑 |
健康保険加入者の場合の埋葬料請求
被保険者が業務外の事由により亡くなった場合、亡くなった被保険者により生計を維持されて、埋葬を行う方に埋葬料として5万円が支給されます。
埋葬料を受けられる方がいない場合は、実際に埋葬を行った方に、埋葬料(5万円)の範囲内で実際に埋葬に要した費用が埋葬費として支給されます。
また、被扶養者が亡くなったときは、被保険者に家族埋葬料として5万円が支給されます。
期限 | 死亡から2年以内 |
手続き先 | 健康保険組合または社会保険事務所 |
必要なもの | 健康保険証・死亡診断書のコピー・印鑑 |
船員保険加入者の場合の葬祭料・家族葬祭料請求
船員保険組合に加入していた人が職務外の事由で亡くなった場合、また扶養者となっている家族が亡くなった場合、葬祭料・家族葬祭料として5万円が支給されます。
期限 | 葬儀から2年以内 |
手続き先 | 健康保険組合または社会保険事務所 |
必要なもの | 船員保険証・死亡診断書のコピー・印鑑 |
備考 |
船員保険の被保険者が亡くなった場合には、葬祭料とは別に、当時の標準報酬月額の2カ月分から葬祭料(5万円)を控除した額が付加給付として支給されます。 |
労災保険の埋葬料請求
労働者が業務上の事故が原因で亡くなったときに、遺族に労災保険から埋葬料が支給されます。
期限 | 葬儀から2年以内 |
手続き先 | 被相続人の勤務していた先を所管する労働基準監督署 |
必要なもの | 死亡診断書のコピー・印鑑 |
備考 | 出勤途中の事故などの「通勤途上災害」で亡くなった場合も労災保険から給付がされますが、給付内容は上記と異なります。 |
高額医療費の死後申請
1カ月の医療費の自己負担額が高額になった場合、70歳未満の方は、所定の窓口に健康保険限度額適用認定申請書を提出し認定証を交付してもらえば、一定の自己負担限度額を超えた分が払い戻されます。事前申請が原則ですが、死後申請もできます。
期限 | 対象の医療費の支払いから2年以内 |
手続き先 | 健康保険組合・社会保険事務所・市区町村 |
必要なもの | 高度医療費払い戻しのお知らせ案内通知書・健康保険証・医療費の領収書・印鑑 |
備考 | 70歳以上の方は申請手続きしなくても、公費負担分が差し引かれた自己負担限度額のみが請求されます。 |
遺族年金などを受け取るための手続き
遺族に支払われる年金です。要件がありますので,ご注意ください。
時間的余裕はありますが,やはり早めに手続きをした方がよいでしょう。
国民年金の遺族基礎年金請求
国民年金加入中の方が亡くなられたときで、その方によって生計維持されていた「18歳到達年度の末日までにある子(障害の状態にある場合は20歳未満)のいる配偶者」または「子」が受けることができます。
期限 | 死亡から5年以内 |
手続き先 | 市区町村 |
必要なもの | 年金手帳・戸籍謄本・死亡診断書のコピー・源泉徴収票等・印鑑 |
備考 |
保険料納付済の期間(保険料免除期間を含む)が加入期間の3分の2以上あることが条件となっています。 |
国民年金の寡婦年金請求
国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた期間(免除期間を含む)が25年以上ある夫が亡くなられたときに、10年以上継続して婚姻関係にあり、生計維持されていた妻が受けることができます
ただし、結婚期間が10年以上ある子どものいない妻で、65歳未満であることが条件です。支給額は故人が受け取ることのできた老齢年金の75%の金額、支給期間は妻が60〜65歳の間までです。
期限 | 死亡から2年以内 |
手続き先 | 市区町村 |
必要なもの | 年金手帳・戸籍謄本・死亡診断書のコピー・妻の源泉徴収票等・印鑑 |
備考 |
妻が老齢基礎年金の繰り上げ支給を受けている場合、夫の死後再婚した場合には国民年金寡婦年金は支給されません。 |
厚生年金の遺族厚生年金請求
厚生年金保険の被保険者中または被保険者であった方が亡くなられたときで、その方によって生計維持されていた遺族が受けることができます。
【要件】
- 被保険者が死亡したとき、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡したとき。(ただし、遺族基礎年金と同様、死亡した者について、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が国民年金加入期間の3分の2以上あること。)
※ただし平成38年4月1日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、死亡月の含する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければ受けられます。
- 老齢厚生年金の資格期間を満たした者が死亡したとき。
- 1級・2級の障害厚生年金を受けられる者が死亡したとき。
期限 | 死亡から5年以内 |
手続き先 | 被相続にが勤務していた先を所管する社会保険事務所 |
必要なもの | 年金手帳・戸籍謄本・死亡診断書のコピー・源泉徴収書等・住民票・印鑑 |
備考 | 遺族厚生年金の受給者には国民年金の遺族基礎年金も支給されます。 |
労災保険の遺族補償給付請求
労働者が、業務上又は通勤により死亡したとき、その遺族に対して、遺族補償給付(業務災害の場合)、又は遺族給付(通勤災害の場合)が支給されます。
期限 | 死亡から5年以内 |
手続き先 | 被相続人が勤務していた先を所管している労働基準監督署 |
必要なもの | 戸籍謄本・死亡診断書・源泉徴収票など被相続人により生計が維持されていたことを証明する書類・生計同一証明書・印鑑 |
備考 | 労災保険では遺族一時金、遺族特別年金があり遺族補償年金に上乗せされて支給されます。 |
名義変更や解約などが必要な手続き
故人が生前所有していた不動産や動産、契約していたサービスなどには、相続財産とみなされるものもあり、名義変更には遺産相続の手続きが前提になる場合もあります。また、契約サービスなどを解約する場合も、未精算の料金や残債などあれば遺産となることもありますから、手続きには注意が必要です。
不動産の名義変更
被相続人が所有していた土地・建物などの不動産を相続する場合は、登記記録上の所有者を相続人に移します。
期限 | 可能な限り速やかに |
手続き先 | 不動産を管轄する法務局 |
必要なもの | 被相続人の戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本・住民票除票・相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明書・相続する人の住民票・遺産分割協議書、固定資産評価証明書 |
備考 | 不動産評価額の1000分の4が登録免許税となります。 |
預貯金の名義変更
金融機関が、口座名義人の死亡の事実を知ると、預貯金口座は凍結されてしまいます。原則、金融機関は、各相続人単独の払い戻しには応じず、基本的には相続人全員の実印・印鑑証明書を要求します。
期限 | 可能な限り速やかに |
手続き先 | 金融機関 |
必要なもの | 被相続人の戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本・相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明書・遺産分割協議書・通帳・キャッシュカード |
備考 | 各金融機関毎に、所定の様式が用意されています。 |
株式の名義変更
株式の名義人を被相続人から相続人に書き換えます。
期限 | 可能な限り速やかに |
手続き先 | 証券会社または株式発行法人 |
必要なもの | 被相続人の戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本・相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明書・遺産分割協議書 |
備考 | 同証券会社に相続人の証券口座がない場合、一旦証券口座を開設してから、移管作業が行われ、その後に売却をしたり、あるいは運用することになります。 |
自動車所有権の移転
自動車も遺言書や遺産分割協議によって所有権を相続人に移転する必要があります。ただし、所有権留保(所有者欄が販売店やローン会社等になっている)の場合には、使用者の変更の手続きを行うことになります。
期限 | 相続から15日以内 |
手続き先 | 陸運局支局 |
必要なもの | 自動車検査証・被相続人の戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本・相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明書・遺産分割協議書(陸運局所定の用紙)・相続人の委任状・自動車税申告書・手数料納付書・車庫証明書等 |
電話(加入固定電話)の名義変更
期限 | 可能な限り速やかに |
手続き先 | NTT等 |
必要なもの | 被相続人及び相続人の戸籍謄本、相続人の印鑑証明書 |
公共料金の名義変更
期限 | 可能な限り速やかに |
手続き先 | 電力会社・水道局・ガス会社等 |
必要なもの | 被相続人及び相続人の戸籍謄本、相続人の印鑑証明書等 |
クレジットカード
解約しカードを廃棄する必要がありますが、カード会社によっては、カードの返送を求める場合もあります。
また、悪用のおそれもあることから,可能な限り早めに解約の手続きをとった方がよいでしょう。
期限 | 可能な限り速やかに |
手続き先 | 各クレジットカード会社 |
必要なもの | 被相続人及び相続人の戸籍謄本等 |
運転免許証
期限 | 速やかに |
手続き先 | 最寄りの警察署 |
パスポート
期限 | 速やかに |
手続き先 | 都道府県旅券課 |
携帯電話、プロバイダー、NHK、介護サービス等の契約サービス
期限 | 速やかに |
手続き先 | まずは、各社に電話連絡 |
必要なもの | 各社が指定するもの |
ゴルフ会員権の名義変更
ゴルフ会員権はクラブによって規定があり、名義変更できない場合もあります。