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中小企業経営者が押さえておきたい会社法
Q1.1人会社なら総会なんて開催する必要はないのでしょうか?
A.一人会社(株主が社長一人)であっても、1年に1回以上、必ず株主総会を開催しなければなりません。そもそも株主総会とは、株式会社にとって会社の基本的事項についての意思決定をする機関なのです。
自然人(人間)は自己の意思に基づいて行動することができますが、法人(会社)は肉体がないためその意思決定に基づく行動は、株主総会の決議により定める必要があるのです。
また、会社は各事業年度の終了の日から2か月または3か月以内に確定した決算にもとづき法人税の申告をする必要があります。この前提となる決算を確定させるためには、定時株主総会において計算書類(貸借対照表、損益計算書、利益処分案または損失処理案)が決議承認されなければなりません。
さらに、役員(取締役、監査役)は任期が法律で定められているので、その場合は株主総会で選任しなければなりません。これを怠ると過料の対象になりますので注意して下さい。
Q2.定款を紛失しましたが、再発行はできるのでしょうか?
A.公証役場に甲府を請求するか、再作成するかで対処できます。
公証役場にて請求
認証を受けた公証役場で原始定款(会社設立時に作成した最初の定款)の謄本を交付請求することができます。但し、認証後20年を超えるものについては保存していない場合もありますので、公証役場にご確認ください。
定款謄本の請求をする場合の必要書類
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社長が手続をする場合
- 会社の印鑑証明書と実印(代表印)
- 会社の資格証明書または会社登記簿謄本
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代理人が請求する場合
- 会社の印鑑証明書と実印(代表印)
- 会社の資格証明書または会社登記簿謄本
- 代表印を押印した委任状
- 代理人の印鑑証明書と実印または運転免許証と認印
再作成する場合
設立後の定款の内容を変更している場合等については、最新の登記簿謄本を取得し、さらに過去の株主総会議事録や取締役会議事録を参照し、新たに定款を作成することができます。
それでも不明な点があれば、株主総会または社員総会(有限会社)の特別決議により定款を自由に変更再製することができます。
再製された定款は公証役場において認証を受ける必要はありませんが、諸官庁に提出する場合で必要があれば、私文書として認証を受けることができます。
Q3.知人から「名義を借りるだけであり、金銭の名義貸しではないので安心だから取締役として名前を貸して欲しい」と言われましたが?
取締役は「取締役会に出席して業務執行に関する意思決定に参加すること」や「代表取締役の業務行為を監督すること」などを怠って会社に対し損害を与えた場合の責任や、「取締役が会社の計算書類やその他の書類に事実と異なることを記載すること」、「虚偽の登記をすること」などによって第三者に損害を与えた場合、責任を負わなければなりません。
名前だけを貸したつもりでも基本的には取締役としての責任を負わなければならなくなる場合が発生します。取締役だけではなく監査役についても責任を問われることもあり得ると覚悟して対処してください。
Q4.取締役の報酬決定を社長に一任することはできますか?
A.取締役の報酬額の決定を取締役会または、代表取締役に無条件に一任するという株主総会の決議は無効となります。しかし、一任するのではなく、報酬額を計算できる基準を定め、その基準を株主に公開しているのであれば、その基準に従って報酬を支払う権限を取締役会に与えることはできます。この場合でも報酬全体の総額や上限を定款で定めておくか、株主総会で決議しておく必要があります。
法律では「取締役が受けるべき報酬は、定款に定めていないときは、株主総会の承認を要する」と定められています。取締役会や代表取締役に自らの報酬額の決定権限を無制限に許せば、いわゆるお手盛りとなる危険性があり適性な決定が期待できなるからです。
Q5.会社を一時休業しようと思うのですが、登記はそのままにしておいていいのか?
A.休業状態でも登記は必要となります。株式会社の場合、取締役・監査役には任期があり、同一の役員であっても登記をしなければなりません。これを怠って12年以上経過すると、「解散したもの」とみなされて登記官の職権による解散登記がされることがあります。
また営業をしなくても、決算期ごとに決算承認の株主総会や社員総会(有限会社)を開く必要があります。また税務署への申告も忘れないようにしてください。都道府県民税、市区町村民税、法人税に関しては休業届出等を提出しておく必要がありますし、雇用保険などについても廃止等の手続が必要な場合もありますので、諸官庁へ確認してください。
Q6.会社と役員間の取引は自由におこなえるのですか?
A.自己が取締役を勤めている会社に対し、高金利で金銭を貸し付けた場合を想定すると、取締役にとっては有利であり、会社にとっては不利益な取引といえます。取締役は、会社の業務執行に関して強大な権限を持っているため、その地位を利用して会社の犠牲のもと、自分自身や第三者の利益を図ることもないとは言えません。
そのような取引態様を利益相反取引といい、利益相反取引に該当する場合には取締役会の承認が必要になります。(有限会社では社員総会の承認)この取締役会では、利害関係のある取締役は会議に出席していても総会決議の出席者数の入らず、また利益相反取引の決議に関しては議決権がありません。
日本司法書士会連合会編「会社の基本」ハンドブック参考
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