消費者契約法Q&A

Q1 消費者契約法とは?

A1 現代社会には多くの商品やサービスが多種多様に存在しています。さらに契約形態もひと昔前と異なり電子商取引など複雑になってきています。この傾向はさらに加速していくことでしょう。

しかし、これがどういうことかと言いますと事業者と消費者間の情報の質、量の格差がさらに広がり消費者はその加速度についていけず、結果消費者が泣くような場面も多々発生してくるのです。例えば私達は日常的生活の中で契約というものを、ごく当たり前のよう締結しています。スーパーで買い物をする場合の売買契約、電車やバスの運送契約等、契約書こそ交わしませんが契約を結んでいるし、また車や不動産の購入、ローンの契約には契約書が交わされるのが通常です。

しかし、その契約書は予め事業者が都合のいいように作成したものであり、消費者にとって不利な条項が多く存在しているものもあります。消費者にはその内容を排除したりすることは事実上できず、それに拘束されるため事業者優位ということがいわれていたのです。

そこでそのような格差をなくし、トラブルを避けるための統一的なルールを定めようとするのが消費者契約法なのです。

 

Q2 消費者契約法では、「誤認」、「困惑」によって消費者契約を結んだ場合、その消費者契約を取り消すことができるとされていますが、具体的にはどういうでしょうか?

A2 (1)「誤認」による取消し
  事業者が、①消費者契約の重要事項について嘘を告げた、②消費者契約の目的となるものに関し将来における不確実な事項につき断定した情報を提供した③ 重要事項等の事項について、消費者の利益となる旨を告げ、かつ、重要事項について、消費者に不利な事実があることを知っているのに告げないこと、のいずれかの行為に基づいてした消費者契約は取消すことができるのです。

(2)「困惑」による取消し
  ④事業者が、消費者から帰ってもらいたいと言われたにもかかわらず退去せず契約をした⑤消費者が帰りたいと意思表示をしたのに事業者が帰さなかった結果(事務所などで)、契約を締結した場合消費者は、この消費者契約を取消すことができます。

 

Q3 前問の取消しはいつまでできますか?

A3 追認できる時(消費者が誤認に気づいたとき、あるいは困惑する状況から脱したとき)から6か月以内、かつ契約締結時から5年以内に行使しないと、取消権は時効によって消滅します。

 

Q4 消費者契約法では、事業者が消費者に損害を与えた場合、その責任を免除するとの契約の条項が無効となるのですか?

A4 消費者契約法では事業者の損害賠償責任(事業者の債務不履行により発生)の全部を免除する契約条項は無効となると定めています。例えば、「当スポーツクラブでは利用者が怪我をしても、当クラブは一切責任を負いません」というような条項は無効だということです。

これによりその条項が無効とされた場合、民法の規定により事業者に損害賠償責任を問えることになります。

 

Q5 私は、個人で飲食店を経営しています。営業マンが突然きて、カルキ臭がなくなる浄水器の購入を勧められ結局買うことにしたのですが、カルキ臭がなくなるどころか余計に変な臭いを発するようになったので契約を取消して、代金の返還を求めたいのですが、消費者契約法の適用があるのでしょうか? 飲食店だけではなく、自宅にもその浄水器を取り付けてもらった場合はどうでしょうか?

A5 自宅の浄水器に関しては、取消して代金の返還を求める事ができますが、飲食店の方は消費者契約法による取消しはできません。消費者契約法はあくまで消費者を擁護するためのものであり、事業のための購入にはこの法律は適用されません。

しかし、消費者契約法の適用がない場合であっても、一般法である民法の規定までもが排除されるわけではないので、民法第96条に基づく詐欺による取消しは可能といえます。

 

Q6 ホームページ作成の内職募集広告を見て、その業者の説明会に参加したところ、登録料が30万円、パソコン購入費用が30万円かかるが、「業務提携している会社等が各地にあり、一日1~2時間の作業で月15万位にはなります。」と説明を受けました。
 
そこで4ヶ月で返済も終わるし、それからは自分のお小遣いになると思い、はじめる事にしたのですが、その後、何ら斡旋はなく、はなしが違うので契約を取消し、登録料とパソコン代金を返してもらいたいのですが、できるのでしょうか?

A6 重要事項につき事実と異なることを告げられ、これにより毎月15万円位の仕事は紹介してくれるであろうという「誤認」に基づいて登録料を支払ったのであり、またパソコンの購入にしても、仕事を紹介してもらい、内職を続けていくなかで代金を支払っていけると考えたからこそ買ったわけでありますから、登録契約とパソコンの売買契約は一体のものと考えられます。

したがいまして、パソコンの売買契約も取引条件の不実告知という事で取消すことができるものと思います。その結果、業者にパソコンを返還し、すでに支払済みの登録料、パソコン代金は返してもらう事ができます。

 

Q7 学生時代の先輩から電話があり、「事業資金としてどうしてもあと100万円が用意できなく、振り出した手形が不渡りになってしまうので、助けるつもりで今回だけ保証人になってほしい、絶対迷惑をかけるようなことはしない。」と言われました。先輩には、大変お世話になっていたので、「今回だけは」ということになり、それを承諾しました。
 
後日、融資担当者とその先輩がやってきたので私は、「100万円の保証人ですよね。」というと担当者は「そうです。」と答えたので、持参した契約書に署名捺印しました。 その他にはこれといって、説明は受けていません。
 
しかしその後先輩は行方不明になり、貸し金の取立てが私のところへ来るようになりましたが、100万円ではなく、根保証なので500万円支払えというのです。 なんら根保証の説明もなかったのに、今になってそれを主張されても寝耳に水です。 このような場合にも消費者契約法が適用できるのでしょうか?

A7 まず商工ローンの保証人は消費者といえるのかが問題になります。 事業者ローンであってもそれはあくまで主たる債務者が事業者であって、保証人が仕事として保証をしているわけではないので、本件での保証人は消費者といえます。

次に重要事項つき不実告知を主張して取消す事ができるのかが問題です。 貴方は最初、100万円の保証だから承諾したのであり、また仮に500万円の根保証であったなら保証人になるのを拒んでいたと予想されますので誤認があったといえます。

さらに貴方は確認のため「100万円の保証人ですよね」と尋ねたにもかかわらず、担当者は「そうです」と答えています。 これにより事実と異なることを告知したということになり、この保証契約は取消すことができるものと思われます。

 

Q8 突然自宅を訪問してきた販売員に、布団乾燥機の購入を勧められました。 私は内気な性格で、「帰ってください。」とむげに断る事ができず、「これから出かけなくてはいけないので時間がありません。」とだけ言ったのですが、なかなか帰らず結局購入してしまったのですが、この場合は取消しができるのでしょうか?

A8 この場合、退去すべき旨の意思表示があったといえるかですが、社会生活上間接的な表現を用いる事は多々あるこですし、これにより「退去してほしいと思わなかった」というほうが常識はずれだと考えますので、この場合も取消しが可能です。

しかし後で裁判等になった場合、表現のニュアンスというのもありますので、なるべくでしたら断るときは、しっかりと断るべきです。
(電話勧誘などで「結構です。」という表現は、イエスなのか、ノーなのか以前問題となっていました。)

 

Q9 先日、不動産業者から古家付土地を購入しました。建物は築40年以上経っており、それを取り壊して新築しようと考えていたので、その話を不動産業者にしたところ、「建築基準法の要件も充足しているので何も問題ないですよ。こちらの重要事項説明書にも記載しているとおり、接道は2メートル以上あります。」と説明されましたが、接道義務2メートルの要件を調査の結果充たしておらず、建築確認をとることができないのが判明しました。それではこの不動産を購入した意味がありません。 この売買契約は取消すことができるのでしょうか?

A9 建替えが可能かどうかは、不動産売買契約を締結するか否かの判断に、影響を及ぼすべき重要な動機の一つといえますので、消費者契約法における重要事項について事実と異なることを告げられ、これを事実であると誤認して契約をしたものですから、不実告知として取消すことは可能です。

 

Q10 スポーツクラブで「当クラブにおける事故については一切責任を負いません。」という約款や、駐車場の立て看板に「当駐車場内における盗難、事故については一切責任を負いません。」というのをよく目にしますが、一切損害賠償責任を問う事はできないのでしょうか?

A10 事業者が本来負うべき損害賠償責任の全部を免除する条項は、消費者契約法では無効とされますので、その結果、事業者に故意・過失があれば、それによって生じた損害の賠償を求めることができます。

駐車場に常駐した管理人がいて、その管理人の不注意により損害を負った場合や、スポーツクラブにおいて、お客さんから再三、足を引っ掛けて転ぶ人が多数いるので床の出っ張りを修繕するよう要望があったにもかかわらず、それを怠っていることにより損害を受ければ、損害賠償の責任を経営者に問う事ができます。

 

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