特定調停の問題

「特定調停の現状」

平成12年2月17日に施行された特定調停法(特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律)がクレサラ・商工ローンによる多重債務者にとって有効な生活再建の一つの手続として定着してきている。

平成13年度は全国の簡易裁判所において29万4000件ほどの特定調停が申立てられている。
しかし、完全無欠の手続というにはまだ及んでいないのが現状であると思われる。

 

「問題点」

調停は訴訟と異なり、当事者が納得しなければ成立しない。言葉を変えて言うなら、当事者双方が合意すれば調停内容は必ずしも法律の規定に適合しなくてもよいのである。調停の道標は、最高裁判所発行の執務資料などに掲載されているとおり、

  1. 利息制限法による再計算をした上で債務の元本を確定する
  2. 分割支払の場合には将来利息を付けないなどが示されており、

それに従った運用が定着しつつあるが、全部の簡易裁判所でそのような運用がされているかは、疑問符をつけなければならない。

 

例えば、取引履歴の開示で、貸金業者によっては、過去2年分のものしか提出せず、本来であれば5年間の取引があるにも拘わらず、業者の言い分を鵜呑みにして調停が成立することもあり、また、貸金業法43条のみなし弁済については、厳格な要件が必要である旨の判例が多数存在するが、情報量・資金力等の力関係によれば強者である貸金業者の言いなりになってしまいほとんど申立前と変わらない調停も実際には存在する。

 

特定調停は、通常の調停と異なり、力関係に強弱がはっきりとしており、弱者的立場に置かれている債務者は、言いたことも言えずまた、訳もわからぬままの調停が成立し、調停で決まった内容だからということで必死になって支払を継続していくのです。

 

継続できればいい方で、中には、調停内容の債務の履行ができずに、強制執行を受けまたは、やむを得ず自己破産という道を辿らざるを得ない事態が発生しており、特定調停本来の趣旨が活かされない事例が散見されるのです。

調停委員についても、各調停委員により「条理」が異なるため、「借りた金を返すのは当たり前」「破産した方がいい」「約束を破るのか」など一部ではあるが、その様なことを押し付ける方もいます。

確かに一般的条理はそうかもしれませんが、特定調停の趣旨は債務者の更生再建であって、それを図るために執務資料等の基準で調停を行っていただきたいと思うのであります。

しかし、中には、過払い金の支払いについて改めて調停期日を設けてくれて、その中で過払い金の返還というなんとも趣旨に則った方法で調停を進めてくれる調停委員さんも存在するが、先の事例とこの事例の様に非常にバラツキが見られ、公平平等とはいえない現状が覗われる。

 

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